コードノート

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想像で書く、noteに必要なSEO対策

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最近クリエイター系の投稿などが目立つホットなブログ(?)サービスのnoteさんですが、前々からSEOには弱く、先日CXOの深津さんがこんなツイートをされていました。 

昨今、良いコンテンツを書いていれば、SEOなんて考える必要がない!みたいな説も強くなってきていますね。でも現在良いコンテンツが集まっていると言えるnoteは正直SEO的に弱いのが現状です。

となると、ブログサービス事業者といった大規模なサービスに関わっていないweb関係の人でも、このnoteがSEOに弱い問題はなぜなのかを考えることはとても重要です。

そんなわけでSEOに関わる一個人として遊びがてら想像で書いてみようと思います。

実際のところ、大規模なweb2.0的なサービスのSEOに関する正しい知識を持っている人って数えるほどしかいないのでないでしょうか。経験を積む場が少ないですし。表に出ている人だと、サイバーエージェントの木村賢(Satoshi Kimura) (@kimuyan)さんぐらいしか知らない気がします。

なので実際の施策はそんな偉い方々に考えてもらいつつ、好き勝手考えていきましょう。

web2.0的サイトでクラスタを明示するのは難しい

さて本題に入っていきますが、まず始めにニュースサイトやオウンドメディアといったテーマがあり、編集する人がいること前提のweb1.0的サイトで考えるべきSEO施策と、 noteを始めとするブログサービスといったweb2.0的なサイトと考えるべきSEO施策は全然別です。

もちろんどちらのサイトでも共通する要素として、htmlタグの最適化(記事内で正しくhタグやaltタグを使うだとか)や、jsによるコンテンツの出力が正しくGoogleに認識されているか、ページの読み込み速度は早いか、みたいなことはありますが末端的な要素であり、最重要なことではありません。

web2.0的サイトのSEOにおいて重要なことは、仮に下記の条件の時で各ブログサービスに記事投稿した際、自社サービスでの記事の方が上位に表示されるような施策を打つことです。

  • 同じ内容の記事を投稿する。
  • htmlタグだとか、細かい記事単位での最適化は同じぐらいされているとする。
  • 被リンク(外的要因)も同程度あるとする。 (あり得ないけど)

実際、各社ブログサービスを使ってきた人なら感じていると思いますが、同じような記事を書いてもアクセスの集まり方は利用するサービスによって違います。

その差がどこから生じるのか、それを一言にすれば「サービス全体の設計の違い」でしょう。個別記事単位・個別ブログ単位での内部対策でなく、サービス全体としての内部対策です。

個別ブログ単位でカテゴリ分けやタグ分けが正しくされているか、なんかももちろん大事です。でもそれだけでなく、サービス全体として、投稿者は違うけれど、このブログとブログ、この記事と記事は似たテーマについて言及してますよ、といったことを提示されているのが大事ということです。

例えば、noteはクリエイター系の投稿が多いよね、というのは見ていればなんとなーくわかることですが、現状何も知らない人が今noteを見てそれがわかるとは言いづらいです。

そんなクラスタとも言える部分を可視化していく仕組みが必要なのですよね。

昔ながらのブログサービスでは、その負担をある程度ユーザーに負担してもらっているケースが多いです。

例えばブログを作る時に「あなたのブログのジャンルはなんですか?」と選んでもらうのもその一つです。

その情報を元に「お料理ブログのランキング」というページを作ったり、記事の末尾に「同じジャンルの人気記事はこちらです!」とリンクが貼ったりして、クラスタを可視化するわけです。

スパマーに殺された機能ではありますが「トラックバック」というのもそのための機能でした。

SNSなどで流れてくる記事をゆるーく見ていく現代を考えると、これらはどれも前時代的な仕組みだなーと思ったりしますが、Googleというのは前時代的なwebの象徴であり、そうやって色々な索引がついたサイトが好きなのです。

そんな中、noteはユーザーができる限りスムーズに記事を書けるよう、カテゴリ設定などを極力省略しています。それは現代的でとても素晴らしいことなのですが、その思想自体がSEOと相性が悪い感はどうしても否めません。

noteさんもこの点に関して認識していないわけでなく、ディープラーニングでこの点をどうにかできないかという施策をされているように見受けられます。

ただまだまだ、それで全てがうまくいく段階ではなく、現状だと自動でカテゴリ分けができる、関連記事表示ができる程度になってしまう予感があります。

レガシーな技術活用と、ユーザー文化作り

SEOにつよいブログサービスとして有名なのが「はてな」ですが、はてなもディープラーニング的な研究も進められているとは思うのですが、現在はそれよりも形態素解析といったレガシーな自然言語処理を活用しSEOに強いサイト作りをしているように思います。

その一例として、はてなではブログと連動したサービスに「はてなキーワード」というものがあります。

はてな版Wikipedia的サービスといったところなのですが、特徴としては下記ように、特定の語句に関する解説と合わせて、そのキーワードを含むはてな内のブログ記事一覧を掲載していることですね。

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これによって、キーワードを軸としたクラスタを作っているわけです。

はてなが凄いのは、ただキーワードを抽出した索引を作っていることでなく、そのキーワードを解説をユーザー達が自発的書いていることですね。

Googleはたくさん索引がついたサイトが好きみたいに書きましたが、一方でその索引が全自動で作られたものは嫌う傾向があります。それが悪いというよりは、自動生成コンテンツによるスパム対策による副次的なものだと思いますけどね。

ともかく、ただクラスタを明示するだけでなく、そのクラスタがどんなものであるかについても文章で説明してね!ということです。

ブログサービスは、ある程度まともに運用していれば記事はどんどん増えていきます。でもこういったサービス自体を説明するようなコンテンツは運営側が作成しなければならないケースが多くなります。

でもはてななど、文化的な要素が強いサービスでは、その部分もユーザーが作成しているのが強みなのです。

他のサービスだと、ニコニコ動画も(会員向けサービスという都合SEOには弱いですが)「ニコニコ大百科」というサービスのおかげでタグ付けが促進され、ユーザーがサイト内を回遊するという良い効果を得られています。詳しくないのですが「ピクシブ百科事典」もたぶんそんなかんじ。

ニコニコ大百科を制作したのはドワンゴでなく、当時未来検索ブラジルという会社に勤務されていたグニャラくんさんですが、その運営方針が書かれたニコニコ大百科:楽しく過ごすためにはは名文ですよね。

YouTubeにはないニコニコの隠れた強みは各動画にタグ付けがされていることだ、ぐらいに僕は思っていますが、すごいのはそのタグ(キーワード)に関する説明をユーザーがコミュニケーション活動として行っていることです。

ちょっと主題からそれてきた気もしますが、ただ自分のブログ記事を書く、ということだけでなく、そのサイト自体を自分達が作っていく、という設計が結果としてSEOに強いサイト作りに繋がっている、というのがweb2.0的サイトにおける一つの正解ではないかなと僕は思っている、ということです。

決して、note大辞典(ノートなのに辞典とはこれいかに。)みたいなサービスを作るべき!みたいな安直な話ではないのですが、SEOに強いサイト作りをしたいとなると「シンプルに書けるブログサービスです!」だけでない、サイト全体の回遊性を高める仕組み作りが必要だと思うのでした。